顎変形症をいつ受けるべきか、手術を受ける時期に焦点を当て高校卒業後からの期間を3つに区分けし、それぞれの時期での利点等について考えてみます。
顎の成長が終わる時期
まず、顎変形症治療に当たっては顎の成長が終了している必要があります。顎変形症が先天的後天的がありますが、顎の成長は高校生まで続くといわれています。
どちらにせよ、顎の成長が止まらなければ治療計画でズレが起きる可能性があるため、手術は早くても思春期以降が推奨されると思われます。
高校では受験や長期療養が様々な面で難しい場合があり、手術を受けるとすれば高校卒業後となると思います。
治療で課題となるのは顎変形症手術による長期療養の対応です。
1週間ほどの入院と数か月の腫れを伴う大きな手術を乗り越えさえすれば、残りは通常の歯列矯正です。
つまりこの課題による影響を最も少なくできる時期が求められるわけですが、治療開始は上記の身体的要素や経済、精神的なもの左右され簡単に受けられるものではありません。
記事では社会人手前から就職後の期間に分けて、それぞれの時期での治療選択による利点等を考えていきます。
ただし、高校卒業後比較的すぐに、手術に臨む計画をするのは良いと思います(つまり、高校で術前矯正をほぼ完了させる)。これにより、高校卒業後の落ち着いた期間や長期休暇を手術に充てることができます。ただし大学進学であれば、就職と単位取得等にどう重きを置くか考慮が必要です。
手術時期による負担図解 社会人手前から就職後まで

手術時期を、高校卒業後から就職後の間で大きく3つに区分し、それぞれにおける想定シナリオから自分側と企業側へどのような負担があるのかを考えてみます。
①高校卒業後の社会人手前
つまり、大学生や専門学生等の時期になります。就職前に人生で最も時間があるといえるこの時期は、顎変形症治療の開始時期の第一候補です。
制約としては、早期から顎変形症治療を始める必要があることで、高校生の学生時代に矯正治療を始めることが必要です。
図解の通り、自分側と企業側への負担を考えれば、最も自分への影響があると言えます。
- 高校生という段階から顎変形症治療を始める必要がある
- 大学初期にある自由な時間を治療に充てる必要がある
- 大学であれば全単位取得との両立が難しく、できても成績に影響が出る可能性がある
- 単位取得を先延ばしすれば、就職、就職前の自由時間に影響が及ぶ
しかしながら、矯正治療は100万ほど費用が掛かる高額な治療となり、学生であれば簡単に受けようとは思えないのではないかと思います。
まずは、親等頼れる人がいる場合は、相談してお願いすることが必要です。就職し働けば100万という費用は難しくないものです。
先延ばしによる影響のコストの方が大きいと考えれらるならば、治療の早期開始が良いと思います。
ただし、顎変形症治療は、通常の矯正治療と同じ考えで臨んではいけません。それは費用面もありますが、手術が伴う事実はそれだけ治療によるリスクが増加するということです。
リスクは歯肉後退、神経麻痺、たるみ等が代表的ものです。これ等は発生すれば、改善はすれど元の状態には戻りません。
自身の症状に応じて、手術を受けないという選択肢も考慮し、リスクを受け入れた上で治療開始することが重要です。
就職前
大学や専門学校等への進学が前提となりますが、就職前の学生期間の時期です。
状況にもよりますが、学校においては長期休暇があり、間違いなく就職後に比べて休暇が確保しやすい利点があります。
細かく見ていくと、大学であれば入学し就職時の単位と大学生活後半の自由時間を自分の自由時間に使うかどうか等、治療との両立が非常に難しい場合もあり、単位取得の優先度合いを学生期間のどこに重きを置くかによります。
大学期間を対象とした治療受ける時期別の利点欠点などについては下記で紹介しています。
就職後
私は就職後にプレート除去含む手術をしました。顎変形症治療を受ける方は、社会人の方が多いかもしれません。
長期的で手術を伴う治療となると、ある程度収入を確保し、手術によるリスク等覚悟を決めることが必要ですので、就職前に簡単に決断することは難しいこともその理由の一つだと思います。
よっぼと症状が重篤でなければ、あえて社会人で手術をするというのもよいと思います。有給を合わせればある程度の連休は確保でき、この期間仕事を休めるなどある意味で利用できるからです。
新卒入社して1年後に手術、その1年後にプレート除去手術をした経験から、企業、職種にもよる前提で、新卒3年以内らへんの手術についてとそれ以降について考えてみます。
新卒3年以内の場合
前提として、私は事務系総合職としてデスクワーク寄りな仕事に配属されています。それが大きな理由とは思いますが、この期間での手術は会社側に良い選択肢だと思います。
まず、新卒入社3年らへんは大した仕事がなく、責任もないため、故に治療による休暇の影響がないためです。
新卒組にはOJTというなの教育があり、それが終わったとしてもまずは見習いなどで、重要な仕事を受けることはあまりないです。それはデスクワークであれどの職業でも同じようなものだと思います。
初期の仕事は誰かができる物で、負担も少ないために治療に入ったことによる穴埋めの負荷も少ないです。
患者側にとっての利点もあります。
仕事面で言えば、負荷がない仕事の担当を外れる事は引き継ぎや、顧客への影響とそれによる評価の影響も少ないと言えます。
その他費用面でも利点があります。
収入の少ない新卒入社数年間の状況ゆえに費用削減がより期待できます。
顎変形症治療に適用される高額療養費制度での控除区分において、年収が少ない=より控除額が多い区分に当てはまることで、より多くの減額が期待できます。
それ以降
顎変形症治療は様々な年齢層の方が受けられ、就職してある程度たって治療に臨む方もいます。
ある程度の職務の元で業務を実施している場合、利点としては下記があります。
・裁量を持って仕事を進められていれば、ある程度は仕事への影響を防いで治療計画が立てられる。
・貯蓄や有休を元に、長期休暇や休職を利用して治療できる選択肢も考慮できる。
ある程度仕事ができるようになった状況では、裁量が増えた分治療に対しても責任を持った計画が必要になります。担当業務もあり、その分責任もありますが、計画をすれば影響なく効果的に進められます。
また、職種によりますが、現場仕事を要さない場合は入院、療養機関においても在宅などで仕事を継続可能です。私は入院後の療養中は在宅をすることで、多少仕事をしながら治療をすることができました。
長期的な治療となるため、治療を決心した場合手術は1,2年後になります。よって社会人になってからの治療になる場合があると思いますが、周りの支援はもちろんですが、計画を持って治療に臨めば難易度は大きくないと思います。
大学病院の医師の話では、顎変形症治療を40代から始める方もいるとのことでした。仕事がある程度落ち着き、収入面についても問題ない場合は、多少年を取って治療しても問題はないということです。
ただ、治療ではもちろん職場への負担があります。それは、
・手術によって必要な引継ぎや人員補填が必要なこと、
・手術後の腫れ等が収まるまで事務的な業務しか実施が難しい
こと等です。
組織で働く中では、治療をするには周りの協力、治療するための職場環境が不可欠です。いつ治療を受けるかという時期的な側面は、職場での業務継続の観点も自動的に関わってきますので、上司や周りとの相談を前もって行い、調和のとれた計画策定が必要です。
あとは定期的な通院のため、転勤などがない事も前提になります。通院は大体月に一回ほどです。長期出張があっても最悪は帰れば問題ないですが、転勤等となれば治療は難しいです。転勤辞令を跳ね返すバリアとして、転勤されそうになったら病気のことを伝えて阻止しましょう。