治療体験記 術前

医療システムへの寛容さ

雑記のイメージ

病院での出来事

大学病院って人が多くて、予定時間になっても呼ばれないこととかが多いです。早く来ても待たされるのは嫌だなと思ってますが、まあ患者にもいろいろな人がいて、、通常の病院とは少しわけが違うことがあります。

先日病院へ行ったとき、そんなことを思う場面がありました。

診察科の受付に行けば、何やら大行列。その先に一人の男性が、時に声を荒げながら受付の人と話し合っているようです。受付のソワソワぐわいと何度か聞こえる謝罪の言葉から、状況がすぐにわかりました。

おそらく診察に関して不満がある方が、受付に対して対応を求めている場面でした。

途中から来た私ですが、その後も数10分男性と受付のやり取りは続いていました。医師も対応にあたる中、後ろには何人もの患者さんが並びはじめていました。どんな背景があるかはわかりませんが、受付も男性の方もなかなか決着がつかず、ダムのごとく来る患者さんをせき止めていました。

大学病院ということであまり予約をとれなかったり、深刻な病気を持っていたりと診察に対しては完璧であってほしいと言う思いは誰しもが思うことだと思います。

そんな妥協できない気持ちが、病院側と患者側の中間点を見つける難しさにつながるのかな...なんて思いました。

まあなぜ口論になっていたか、想像でしかないのですが...

医療現場での配慮

多くの患者を抱え、なおかつ失敗が許されない医療という現場では、患者が第一という側面が非常に強いと思います。そんな中でも医療を提供する側の目線に立ち、少しでもお互いのことを考えられれば良いなと思います。

企業などで問題となっている劣悪な労働状況は、医療現場においても明らかになっています。2022年、異常としか形容できない労働状況のもと、消化器内科で専攻医として働く医師が26歳の若さで自ら死を選択する事件がありました。:医師の過労自殺で病院長ら書類送検 過酷な長時間勤務の実態、密着取材で痛感したこと(柳原三佳) - エキスパート - Yahoo!ニュース

100日間の連続勤務の他、1か月の労働時間が200時間を超えることもあったと報道されています。

なぜこのような状況が起きてしまうのか。それは一言では表せない、時には論理では説明できない要因がいくつも存在していると思います。

命に関わる医療であるからこそ絶対に大丈夫であることが重要になります。だからこそ、病院側は細心の注意を常に払い、多くの患者を抱えながら丁寧な医療の提供をします。しかし人間ですから、その過程の中では時間が多くかかってしまうことや、現場での些細なミスがどうしても起こってしまいます。

その結果が命に関わる場合は確かに、相手に責任追及をし対応をしてもらうことが必要であります。ですが、声を荒げて受付、医師を巻き込み不満をぶちまけることは適切ではないと思います。その状況では、さらに他の患者、医師、受付、現場すべてにしわ寄せが必ず来てしまいます。

双方が相手の状況に身を置いてみて、どのような対応が適切かを想像すれば、病院側、患者側双方が持つ問題がより理解できると

思います。

患者も大変だけど、病院側も大変だよな。そんな考え方で、医療現場はよりお互いのことを考え、配慮することにつながります。

環境保護という異なる場合を考えてみても、環境を相手と考えてみれば、人間が行う行為によって生態系全体へ影響を与えてしまいます。医療現場においても、お互いが配慮しあうという行為が、病院全体のいわば生態系となる医療体制を保護し、安心安全な医療を享受することにつながります。

どちらが偉いとか上だとかはありませんが、お互いが状況を俯瞰し、配慮することで現場の医療がよりよくなると思います。人を救うという第一の優先が、医師の命よりも先行してしまうことが無いよう、私自身も現場の医療従事者の状況に関心を向け、感謝の心を忘れないようにしたいと思います。

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