手術日を決定し、手術が約1ヵ月半に迫った日、大学病院にて手術を延期してもらいました。上顎と下顎の手術に伴い、鼻の変形の可能性が高いと言われていましたが、改めて手術によるリスクを感じてしまい、どうにかリスクを回避できないかという思いで延期することに...
なぜ延期に至ったのか
術後リスクを検索
手術が約1.5ヵ月に迫った土曜日のこと。三連休で日曜も夜更かしできる気分にうれしさを幸福を感じていた日に、手術について改めて調べてみました。顎変形症の治療体験についてYoutubeを使って調べてましたが、Xを使って調べてみると同じような病気を持つ方が非常に多く、かなり気になっていろいろな人の投稿を拝見しました。
そこで今まで承知していた手術によるリスクが非常に存在感を増し、自分の精神では担えなようなリスクが身近にあることが確信に変わりました。
術後リスクの不安迷宮へ
想像以上に多くある顎変形症に関する投稿は、想像しえない手術リスクについての投稿も含んでいました。顎変形症治療を開始する際の説明であるリスクが、ある事例では人生を破壊するような大きすぎる代償へとつながる可能性があることが実際の方の経験から鮮明に伝わってきました。
一般的なリスクの説明では全くとらえきれていない、大きすぎる犠牲の可能性があることを確信し、さらに自分が心配していた鼻の変形についての実例を多く目にすることができました。それが原因で、沼にハマることに...
この手術の担当医は本当に失敗しないの?今までリスクについて話してきたけど、適切に対処してくれるの?あれそういえば、この部分ってどうなるんだっけ?こここうしたら...などなど、不安とともに手術に対するたくさんの疑問が沸き上がりました。
正直そのどれもが手術の説明の段階で質問し、解決しえたかもしれない問題です。それなのに数か月前に迫って、いろいろ気になることが増えてきました。まるで入社式に出席して、入社数か月前に辞退するようなもんです。いろいろ準備したものが、やり直しになってしまう。
手術延期へ
大学病院へ相談に
不安でいても立ってもいられなくなり、手術を受ける予定の大学病院へ再診予約をしました。執刀医の方は予約が取れなかったため、同じく担当する医師の方と予約を取りました。
手術を担当される方は、いくつも患者を抱えており、手術に向けて準備等もあります。そのため非常に取りずらいことが多く、おそらくあまり予約入れないようにしているんじゃないかなと思います。医師と再診予約をしたいと伝えると後で折り返すと言われ、何やらその場では決められないような感じでした。通常の場合その場で決まるのですが、何か裏で話していたのでしょうかね...
絶対ではない医療
そりゃそうです。術後のリスクも予防をしても絶対防げるわけではありません。でも素人の私は、どこかで医師に「大丈夫」という確信を与えてほしい気持ちがありました。鼻の変形については、担当医の方へも以前質問したことがあり、その際には広がらないように対処をしていただけるとのことでした。
それでも不安の沼へはまってしまったのは、処置をしたとしても起きてしまうリスクが常にあり、以後の人生全体の精神的な影響があることをX(旧ツイッター)から痛感したからです。
そこでいろいろ疑問が沸き上がり、本当に鼻の変形はしないのかという質問をしました。しかしリスクである以上絶対とは言えません。「どのくらい広がるかははっきりとはわからない」ということを医師から言われました。そもそも噛み合わせの面改善が第一ですから、見た目を第一にするなら美容整形となってしまいますよね。
そう思いながらも、何とかリスクを軽減できないかと伺えば矯正によって少しは対処可能かもしれないとのことで、手術を延期しました。
というか手術を受けられる心情ではなかったです。それは医師からも指摘され、延期を決定しました。
術後のリスク
噛み合わせを治し、見た目も改善できる顎変形症の治療は、もちろんリスクが常に存在します。
顎変形症の診断で手術が必要となった時には、手術を担当する医師との診察を受けます。そこでレントゲンなどの各種検査結果を基に、どのような状態であるのか、どのように治すのかなど、患者の顎変形症の状態と治療で選択する術式について説明を受けます。
そこでは、手術に伴うリスクについて説明を受け、それを認識したうえで治療を開始することになります。
意見を伝えられず、手術に対する変化への覚悟と先生への信頼ができなかったためです。
コメント
コメント
ネットで何でも知れることは、なんでも知れてしまうという、損失を含む意味合いであることを痛感しました。手術が決まった時に検索した際、同じような治療を受ける方がたくさんいました。その多くの情報は、手術をしてよかったという共通の結果を示していました。
そこから、「手術を受ければ長年の噛み合わせの悩みを解決できるだけなく、見た目もよくなって金も浮くなんてラッキー」なんて感じで治療を開始したことを覚えています。顎を切るという行為に響くリスクは、ネットにおいて見た情報に覆い隠されて良い面だけが目立ち、治療によるリスクが一般的なで、さして大きな問題のないものと勝手に解釈をしてしまう自分がいました。
まさにひいき目。自分が望むものが叶うという希望を持ち、自分が目で見て考える情報もその望む方向へ進んでいく。たとえそれが実際とは異なっていても、そんなことはない、こうであるはずだという考えが、「治療のリスクは少なく、利点の方が多い」という考えを確信に変えようとして、いつしか手術リスクの存在を一般的なものとして見なしてしまいます。
逆に調べなかったら、損失を被っていたかもしれないと考えれば、やはりネットの使用で重要なのは得た情報の精査と、自分の考え方を客観的に見てみることだと思います。
顎変形症の治療それ自体は、噛み合わせを改善し、それによって体全体の健康へとつながります。ネットにおいてリスクのみで治療の良し悪しを判断すれば、逆にそれがリスクにもなりかねません。結局言ってしまえば結果論とも言えてしまいますが、その結果である未来はその時まで一生わかることはありません。
病気の治療となれば、それを治療する方法としてリスクのある方法がとられる場合、その治療方法がよいかどうかは、その選択によって起きた結果までわかりません。よりよい結果のため、どの選択がベターかを判断することが必要になります。その過程では、適切な情報とそれを踏まえた適切な分析が重要な工程となります。
ネットから情報を得た時、それが実は嘘であったりする可能性、自分が調べたい情報だけに偏っている可能性などで適切でない情報である場合があります。そしてその複数の情報を目の前にしたときに注意を向ける方向や、信じる度合いは知らぬ間に偏った状況であることがあります。
そのような状態を、「認知バイアス」と呼びます。それにより見た情報が自分の結論に導く情報ばかりであったり、望まない情報を注目しないということが起きます。これは、何かを選択したことによる結果によるリスクの可能性を上げます。知っていたら防げたであろうリスクを把握できないことで、結果として望まない問題が起きてしまいます。
そのため、得た情報がそもそも真実かわからないこと、そして自分が見たい情報のみを調べ信じようとしてしまう認知バイアスが、ネットに基づいた判断をするときの前提として認識しておかなければいけません。
だからこそ、
得た情報が本当に正しいかの精査、
正しいか分析した上でも自分が見た情報と、それに対する考えが偏っていないかを疑い客観的に見てみること
の二つが大切です。
顎変形症の手術は人の見た目と大きくかかわっています。だからこそ治療における判断は、手抜かりなく考えることが必要です。
正しい情報を得て、その上で自分の考えを俯瞰してみる。そしてそもそも治療のために手術が必要なのか?という大前提でさえも含めて考えていくことが大切であると思います。このブログでもその判断の助けになれるよう情報を発信します。