治療体験記 術前

術前矯正によるメンタル

雑記のイメージ

手術のために仕方ない術前矯正

手術のための術前矯正

顎変形症の手術では、手術の前に術前矯正を行います。ズレた骨格を治すため、骨に合わせてズレた歯並びを治すことが目的です。これにより、顎の骨を手術した後にすべての歯が噛み合う理想的な歯並びへと導くことができます。

手術を併用することにより、普通の歯列矯正では治療できない骨格のズレによる不正咬合に対しても治療可能の範疇に収めることができます。その際の術前治療は、患者の骨格や噛み合わせ等を考慮した治療計画の元で実施されます。

私の場合開口でマウスピース作成も難しいくらいの歯並びでした。治療方針として、前歯を前に出し、その分手術時に回転をかけて正しい歯並びにするというものでした。

ここから、手術で下のように動かし正しい噛み合わせの位置に治します。

これによって理想の位置に戻りハッピー!なのですが...

メンタルに来る術前矯正

術前矯正はメンタルに来ます。手術に向けた歯並びの変化で顔等に臨まぬ変化があり、その望まぬ変化が解決するのか?そもそも医師は大丈夫なのか?等と不安に襲われたりすることが増えます。さらに術前矯正の期間は数年になることがあるため手術に行くまでも長期間になります。

ネットで治療期間を見ると術前矯正に2年や遅い人では3.4年かかる方もいらっしゃいました。矯正をつけ、なお且つ手術のために敢えて歯並びが悪くなる状況が数年となるとつらいですよね。

そして術前矯正によって、歯が正常な位置に動くことによりいくつか影響がありました。

術前矯正の影響

実は術前矯正の影響が意外と大きいです...

人によりますが、影響として主に以下がありました。

・無意識にしていると口が開くようになった

・顔の肉付きが増えて笑うと顔がでかくなるようになった

・歯茎が下がった

1つ目ですが、口が意識しないと閉じない感じになりました。閉じるときは顎に少し力を入れなければいけないような状態になりました。(いわゆる顎に梅干しみたいなものができるやつ)

私の噛み合わせの状態が開咬ですので、もともと前歯は開いていました。今回手術に向け、前歯を前に出しさらに開咬の広さが大きくなりました。そのせいで、普通に口を閉じても開咬が大きすぎるため唇が閉じきれません。

夜寝るとき確実に口が開くようになりました。そのせいで朝は大抵口が乾燥している...

2つ目では、顔の肉付きが増えて顔の輪郭が大きくなりました。おそらく骨格的な問題で、もともと同じような感じだった気もしますが、鏡を見て気づくくらいに変わりました。

原因を考えてみたら、たぶん食事が影響しているかもしれないと思いました。社会人になってのランチは、家から持って行っているのですが、その食事はいつも豆腐とチキンが含まれており、たんぱく質の量が多くなっています。なので毎日よくたんぱく質を摂取するようになり顔の筋肉も増えたのだと思います。(やっぱり人生を豊かにする筋肉もほどほどが大事)

たぶん骨格上しょうがないのでこれは受け入れるしかないですね...

最後は、地獄の歯茎下がりです。矯正の影響と歯磨きの負担などにより、歯茎が全体的に下がってしまいました。(これに関してはマジで最悪な影響でした。矯正の影響等で前歯の歯茎が特に下がり、ブラックトライアングルのような状態が完成してしまいました...)

歯の動かす量が多いと、実は歯茎下がりを招くことがあります。これを歯肉退縮といいます。

歯は簡単に言うと、歯槽骨という部分とその周りに付く歯茎に支えられています。そしてこの歯槽骨は矯正などの外部からのストレスが加わると吸収といって、動いた分溶けてしまうと言います。そして土台となる歯槽骨がなくなり、それを覆う歯茎はそれに従って下がってしまうというわけです。

矯正医は上記が起きないような方法で矯正する必要がありますが、顎変形症などで歯を動かす量が大きい方は、歯槽骨への負担も大きい為、歯茎下がりはどうしても起きてしまうようです。

悩んだ猫

そのせいで前歯がすごく長くなりました。なんか年老いた人の歯みたいになってしまい、あまり全力で笑えなくなってしまいました。笑(笑えていない)

そしてどんな食事の場面でも、歯間ブラシが必須になりました。もう挟まらない食事は、プロテインくらいといっていいほど、食べ物が挟まる挟まる。

もはや、食事の時は携帯より、歯間ブラシ。旅行の時も、化粧品よりも歯間ブラシと、歯磨きのお供が日常の必需品ヘ格上げされました。(流石に慣れましたが、一生このままと考えるとやはりだいぶキツイ...)

手術が近づくにつれ、「後戻りできない」、「ほんとにこれでよかったのか、前の方がよかったのではないか」、 「手術をしたら根本的に骨を切るからある程度は必ず変わってしまうが受け入れられるのか」、「その変化が望まないものだったら」「そもそも手術は成功するのか」などと不安が大きくなります。

悩みが増えているイメージ

でもこれは、治せない噛み合わせを治すための治療です。治療せず噛み合わせのずれが一生続くと考えれば、受け入れていくしかありませんね...

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