治療体験記 術前

手術前の貯血

雑記のイメージ

手術前の貯血に行ってきました。意外と痛く、簡単には採取できない難しいものなのでした。対処方法は先生の温かさとにぎにぎです。

貯血

貯血では、一般的な成人は400mLの血液を貯めます。自己血があることで、手術中の大量出血が起きた場合に、緊急で処置をすることができます。

顎の上下を切り取る手術と聞いていた為、必ず貯血が必要なのかと思っていましたが、念のためという位置づけで使わないことが多いそうです。使わなかった場合は、赤十字社によって使われる場合もあるそうです。

貯血の際は、手術用に使う目的等の説明を受け、患者自身で署名します。今回貯血をするにあたり、自己血採血の合意書を書いていました。

患者の同意の他、貯血は条件があり、感染症などを発症している場合には貯血ができないと言われました。感染症を発症している場合、病原体が血液にも入っており、その血液が再感染や院内感染などを引き起こす元となるためだそうです。

ただ、病院によっては感染の有無は採血実施に影響しないと規定している場合もあるため、病院による方針によって異なるのかもしれません。

自己血のご案内 (uoeh-u.ac.jp)

貯血をするまでに、血液検査の結果を待たなければいけません。感染症があると貯血はできない為、結構緊張してました。

ていうか、ここまで準備してきて貯血できませんって言われても...という気持ちでしたが、結果は問題なく貯血をしました。

意外と痛い

貯血で使用する針は、採血のものより針が太いです。その分、刺したときの痛みも少し大きい。

まず台に移動し、仰向けになるように言われました。その後担当医が腕の血管をチェックします。

緊張していた為、体の末端の体温が低く、血管が収縮して見えずらい状況でした。その為、左腕の血管探しは難航しており、なかなか見つかっていない状況でした。

「緊張しますよね~」とお医者さんは笑いながら話していました。血管が収縮する要因が緊張であるという演繹法を使い、私の内心を読み充てるとはさすがのお医者さん。

血管がよく見えないため、今度は温めたタオルを使い、腕を温め血管を見えやすくする方法を取りました。中々進まず難しそうな採血にもかかわらず、段取りよく対処をしている手際の良さは、さすがだなと思いました。

そんなこんなで左腕の貯血が始まります。採血よりやはり痛いなと思いつつ、刺した後は何もありません。

「このまま待つだけか~」と思っていると、血が出ていないとのこと。針の位置を動かす必要があります。これが地味に痛い。針は指したままですが、再度皮膚の内部で針を刺しているような感じです。止めてくれーと思いつつも、なかなか血が出ず、結局右腕でやることになりました。

いつも採血している腕は右であったため、うまくいくだろうと思っていましたが、ここでも難航していました。血が出始めたとしても、十分に血が出てこないのです。このため400mmが危うい状況でした。

血管を拡張するため、お医者さんは私の腕を温めます。温めたタオルではなく、今度は人の体温です。手を握ってもらう思わぬ方法に、なんだか落ち着かない気持ちになりました。結果はまだうまく出ず。先生ごめんなさい...

もうだめだ、そんなときの救世主は、にぎにぎでした。ストレス解消の時に思いっきりの握力で握るやつです。これをやることで、血流が腕に流れ、より血液を採取することができます。

まるで逆乳しぼりのような解決方法は、うまくいきました。力を入れて抜いての繰り返しをすることで、無事400㎜採取することができました。

それにしても時間がかかり、痛みもある貯血は意外と大変なんだなと思いました。針を刺してからは自動で血が出るのかと思いましたが、実際にはその人の精神状態や血管の大きさ、先生の技量の度合いなどによります。

今回は、逆乳しぼりと、先生の体温温めサービスにより達成することができたのでした。

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