治療体験記 術後

手術後6日目(退院と地獄)

雑記のイメージ

今日の日付は2024年の7月24日(水)です。今日は退院日です。

朝食をいただき、昼前には退院します。朝食後は診察し、その後手術用についているトゲトゲを取るために、矯正歯科に直行します。なんと退院の日が地獄の苦しみを味わうとは思いもしませんでした。午前と午後の地獄2本立てでお送りします。

さあ、最終日も微妙な朝6時の起床です。ベッドがなんか熱がこもって熱く、音もあって寝にくい環境にはなれました。

朝の写真を忘れてしまっていたので、退院後の写真を載せます。

  • 腫れはほぼ変わらない
  • 顔全体の麻痺(両唇が触れ合う感覚が分かるくらいには改善)

さて、朝食前には看護師の方が点滴の交換にいらしてくれます。これも今日で最後です。左腕につないだ管から、まず水を流し、その後点滴を開始します。見慣れなかった手順も、慣れたものです。

そして、管といえば痛いというのは、皆さんお分かりだと思います。左手の点滴も痛いのだろうと。。そう思いつつ、点滴が終わりました。

さて、抜く時です。周りのテープを剥がし、周りを除菌します。この手順を見るだけで緊張します。

来る!と覚悟を決め抜きました。

いたっくない!!そう、まったく痛くなかったのです。通常の針と違い、少し長い、伸縮性のある管が続いていました。複雑な動きにも合うように設計されているのですね。

左手には、管が常にくっついていましたが、ようやく解放されました。よかったぁ、これで痛いものすべてクリアや!!との思いで朝食のお時間です。

最後のメニューです。豆腐と野菜ロールとレンコンムース、ヨーグルトです。

見るのも楽しいレンコンですが、正体はレンコンの風味がある柔らかいもの。とてもおいしい。そして豆腐と野菜ロール。これはがんもどきのような、つぶつぶ野菜などが入ったものです。通常の人が食べるような食べ物ですね。

ヨーグルトもおいしく食べ、最後の朝食、ごちそうさまでした!

ただの診察かと思いきや

さて退院前の、診察で口腔外科に向かいます。場所までの道は慣れたもので、難なく移動もできるようになりました。病院と関係者に感謝を感じつつ、口腔外科へ向かいます。

最後の口腔外科では、抜糸をするとのことです。

早すぎないか...?と思いました。まだ、顔の腫れは全く収まっておらず、口も満足に開きません。

大体こんな感じで上下左右を縫っています。まずは右下からです。

以前舌の水膨れを除去した際、抜歯をした経験があります。当日は引き裂くような痛みであった為、抜糸には嫌な予感しかしません。
右下から始める時急に腹が痛くなりました。もう体が拒否を起こしています。

そして始まった抜糸は、案の定痛いです。幸いなのか、まだ顎全体は麻痺している為、痛くない時もあります。

ただ、頬が腫れているため口が全然開きません。奥歯の処置が不可能な為、当然手でこじ開けられます。

これがクソ痛い&クソ怖い。

糸で塗っている箇所が引っ張られて引き裂かれそうな痛みがあります。顎の表面に関しては麻痺で感覚はないですが、内部の神経はきちんと働いているようです。そのため、糸で塗ってある部分の神経が痛みを呼び起こします。

また、ルフォー時に鼻を縛っています。この縛りが上唇を広げる筋肉とダイレクトに連結しており、上唇を広げられると、鼻も引っ張られます。糸が結んで固定されている為、その固定部分が引っ張られこれも非常に痛い。

そしてこの鼻の引っ張りが非常に怖い。上唇を広げるたび、鼻の内部にある糸がその最大の抵抗張力に今にも届きそうな、そんな突っ張りがひしひしと伝わってくるのです。

糸ちぎれるんじゃないか,,,なんて思うくらい引っ張りが強かったです。

抜歯箇所は上下左右奥と前でざっと5箇所。長い拷問になることが確信に変わりました。まず、口を開かせられるとき、開かない口を引っ張られ常時痛すぎる。

抜糸の痛みについては、顎がある程度麻痺しており、その一手一手が痛いというわけではないです。しかし、たまにくる皮膚の中からの鈍い痛みが、ロシアンルーレットのように、いつ来るかわからない恐怖を与えてきます。

口を開くことの痛みと抜歯の痛みのダブル拷問は、体中に汗を染み渡らせ、背中はびしょびしょになりました。

漸く終わったと思えばまだ左の1箇所。必要な処置とは言え、痛さが絶望的すぎる。そんな痛みに思わず声出て、体が動くほどです。

子供なら大泣きな状況でも、抜歯はまだ続く。下が終わり、次は上側に移ります。

上顎はさらに鼻の痛みが追加です。しかも、上顎は下よりも麻痺が若干少なく、下側より過酷な事は明らかなのです。術後の夜を思い出すほどの拷問です。口を広げられるが、痛さでその方向に顔が動いてしまいます。その為奥歯が十分に見えず、さらに口を広げられ、頭が動きます。顔をまっすぐにするように言われても、鼻の糸が切れそうなのも合ってできないのです。

あまりの苦戦に

担当医からも、無理だよと小声が出ていました。そんな状況で苦しんでまでする抜糸の必要はどこにあるのだろうと言いたいが、我慢して耐えていました。それでも体が動き声が出てしまうほどの痛みです。

そこで救世主が現れます。

執刀医の補助に当たる医師がきました。抜糸をしている方が、痛みで疼く私を見かねて、補助の医師に抜糸が必要か聞いてくれました。

返答は、「大丈夫、無理してやらなくてもよい」とのこと。

地獄の拷問を終わらせてくれる一言でようやく苦痛が止まりました。「なら早く言え!!!」と声が出そうになりました。

終わった後の背中は、まるでランニングをしたかのように汗をかいていました。

なぜ今日やろうと思ったのか疑問でしたが、術後の麻痺がある時にやった方が一番効果的とも考えられるような気もしたので、そうゆうことにしました。

お会計

処置が終わり、お礼を言った後親と再会し、会計へいきます。高額療養費制度の適用により、どのくらいの費用になるのかは気になっていました。

合計ですが、約9万4千円でした。

入院日数17日から24日の7日間と、手術、看護を合わせて、これだけの窓口負担なのは日本の医療制度に頭が上がりません。同時に、医療従事者の方々へ本当に感謝の気持ちしかないです。ありがとうございました。

余談ですが、病室内の自分の隣にいたお爺さんは若い時アメリカにて入院し、保険なしなら2億かかる手術をしたようでした。

保険無しでも日本ではそんな金額にはいかないでしょうね。

午後も地獄だった

さて、記念すべき退院日の午前の地獄同様、午後にも地獄が待っていました。

矯正医院での処置です。

退院後は、矯正器具についたトゲトゲを取ります。トゲトゲとは、術後の額固定のためについているものです。

前歯についているトゲトゲは、強い力を加えて取ります。午前の痛みを経験した私にとって、トゲトゲの除去は難なくクリアです。

これで終わりかと思いきや、なんと装置の一部が外れているではありませんか。ちかも奥歯です。

腫れで口もあかない中、奥歯を処置するのなんて無理に決まっています。

そんな状況でも、後戻りを避けるため、矯正装置はしっかりとついていなければいけません。なんと上下の装置の一部が外れているようで、どちらも付け直す必要があります。

さて、先生の処置が始まります。口が開かず、奥歯も簡単には見えません。そのため、口を開けた状態を固定する装置を口につけます。

これで、常時口が痛い拷問の完成です。

さらに、腫れによって埋もれている奥歯の側面に装置をくっつけるため、口をさらに広げます。もう糸の部分が頬に食い込み、うずくような痛みです。

相当な痛みに、本当に声が出て涙が出てきました

矯正装置をつける際は、側面にブラケットをくっつけ、全体にワイヤーを通します。普通の状態では、一連の流れはワイヤーをブラケットにはめ込むときが痛いくらいなのですが今回は違います。口を開くこと自体が痛いのです。

そんな状況で、よりによって一番奥のブラケットが外れてしまいました。歯の側面は腫れによって見えない状態です。そのためさらに口を広げてきます。そこに小さなワイヤーを通すという細かな作業の必要があります。もう限界という痛みの中でも、矯正装置が付けられません。

それを上下行う必要があります。午前中の地獄そのままでした。しかし今回は、延期というわけにはいきません。一連の作業は数十分にも及びます。午前だったら延期になっていたところ、地獄は矯正器具をつけるまで続きました。

手術中で歯を処置するときに、矯正器具が外れてしまうことがあるようです。もし術後に装置が外れていた場合、上記のような体験になる可能性があります。

なかなかつらい退院日

辛さで言ったら、術後の夜とは異なりますが、痛さで言えば退院日が最も痛かったです。なぜこんなにも痛みを感じなければいけないのか、とても不思議であり、もっと良い処置方法がないのか疑問でした。

なんにせよ、無事に退院がで来た事、サポートしていただいた方に感謝ですね。

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